深夜今まで経験した事の無い

西洋美術館の考える人

 激しい腹痛に見舞われた。自分の体に何が起きたのかわからなかった。明け方まで文字通りトイレから出られず、七転八倒をした。頭に浮かんだのはイレウス。外科だなと思うがこのあたりで検査機械を持っている外科医はいない。ここいらで救急車という手もあるけれど、いくらなんでもこの時間にそれは迷惑。朝が来て身動きができるようになったらどこか探そう。近所に高度医療のセンターがるが、二次診療なのでまずホームドクターからの紹介状が必要。夜が明けたら土曜日。公共機関は休診日。とにかく収まっているうちに寝ようと思う。もう空が明るくなり雀の声がする。小鳥が鳴いてお天気が良いなと思う。

あの痛さのさなかで、必死で自分の次の可能性を考えて、段取りができたのは、日ごろの訓練のたまものだと思った。可能性と、現実を何とか考えられたから、パニックにならなかったし、傷みに翻弄されて投げ出したら、きっと耐えられなかったと思う。