2008-05-21から1日間の記事一覧

遺族として生きる

遺族は、いつになっても遺族であり、それ以外の生き方は出来ない。失ったものは二度と戻らないのだし、それ以外の生き方をもはや選ぶことは出来ない。そのことを私たちは心にとどめておかなければならない。あのことが起こったときから、もはやそれは私たち…

何故と問わないで

人は自らの命の中に死の影を持っている。そのことが死への恐怖となり、好奇心となる。だから家族を失ったものに対して死の様子を尋ねてしまう。「苦しみましたか」「どうやって」「いつ・どこで」『何があったのですか』その全ての問が遺族にとって何の慰めに…

芽吹きの季節だからこそ痛む

世界が光を失って、自分の中の時間の流れと体の外の時間の流れがずれてゆく感覚を遺族は味わう。一日は自分の感覚とは遠いところで始まり、日はいつの間にか昇り、また沈んでゆく。季節の巡りもまた体の外を巡ってゆく。その中で芽吹きの季節はことさらに辛…