幼い日に

mugisan2016-10-05

雪虫の舞い飛ぶ姿を見た。北海道の北見だったと思う。北の秋は雪虫が舞い飛ぶと二週間後には雪が降りだした。それは不思議な前触れだった。子供たちは「雪虫飛んだと」大声で歌いながら学校から帰った。雪は嫌なものではなかったから、むしろわくするものだったから。大人たちはもうすぐ来る冬に向かって石炭を用意したりまきを用意したり、野菜を凍らないようにむしろで覆ったり野菜を室に入れたり、大忙しだった。


この町で昔一回だけ雪虫をみたことがある。仙台でもこの虫が飛ぶのかと、とても不思議だった。北の国の荷物と一緒に車にくっついてきたのかもしれない。ふっと二週間後に雪が降るのだろうかと思った。その年の雪がいつ降ったのかの記憶がない。ただ懐かしく愛しい日々の記憶がよぎっていったことを思い出した。