思い出そうとしなくても

mugisan2016-03-10

あの日から五年がたとうとしている。街のいたるところで、あの日のことが語られている。忘れるなんてできない。街のありとあらゆるところから湧き上がってくる思いは消しようもない。マスコミが仕掛けなくても一人一人の暮らしが変わったあの日のことは忘れようもない。だから、落ち着かないし、不安な気持ちにもなる。いたはずの人がいなくなった日を、忘れるわけがないではないか。あの恐怖を忘れるはずがないではないか。


なのにあたかも何もなかったかのように、わすれてしまったような顔をして今日一日を生きていく。TVの特別番組を見る気にもならない。もう今は今のことを考えていたいと思ったりもする。思い出すことはない。忘れているわけではないから。ただ蓋をして今は眠らせておきたいだけなのだ。


心の奥深くに刻み込まれたあれからの日々をしっかりと抱えtげ生きていたいと思っているのだから。