光は春なのに

コボスタの前

 雪が舞う。
もう春なのに雪が舞う。
名残の雪は春彼岸にいつもドカ雪になる。
まだ節分。
足踏みの冬はしばらくは行きつ戻りつ、
胸の中に語ることのなかった物語を紡ぐ。


又、愛しい君が旅立っていった春がやってくる。
父はあの日からずいぶん老いた。
母のからだも小さくなった。


君はいつまでも16歳7か月の少年の笑顔だ。
雪が降る。
君からの伝言。