お気に入りの店

久しぶりにベーカリーレストランに行く。粉物がおいしいので、以前から何かうれしいにつけ、悲しいにつけ、普段と違う気持ちの時に立ち寄る。なんとなくパンコーナーの種類が少なくなっていることに気が付く。店のスタッフの数も減っている。そこはかとなくさびれてきた感じがする。

 すぐそばに大きなアウトレットが出来ているので、客の流れが変わったのかもしれない。寂しい感じがした。メニューも品数が減っている。こんな静かな削減が店全体の雰囲気を変えてゆくのかもしれない。以前このエリアにはイケアがあって結構この店も混んでいたのに、店の中はがらんとした感じがする。郊外の住宅地にあったちょっとよそ行きの店が立ち行かなくなってきているのは現実なのかもしれないな。


暮らしが苦しくなっているのは事実。光のページェントの募金箱の御金を盗んで、49歳の人が捕まった。「生活が苦しくて」というのが理由だった。年の瀬が近くなると切羽詰まってこんな犯罪が起こる。ハロウインで浮かれているニュースを見る傍らで、こんなことをしなければその日を暮せない人もいることを、これが現実なのだなあと思う。


 ますます貧しさが深く潜航し見えないけれど生活基盤の崩壊が見えない形で進んでいるのだろうと思う。生活保護が受けにくくなっているとも聞く。この国はどこに行くのだろうか。弱者を切り離してどこに行くのだろうか。自分自身がもはや弱者になっていく事を止めることも出来ない現実。死までの日々を穏やかに暮らすことが出来るのだろうか。もはや他人ごとではなく、明日の自分の生き方死に方を考えねばならない。