朝から雨が降っている

銀杏並木の若葉がきれい

 干からびた空気がしっとりしている。ヒヨドリが鳴いている。ベランダで気配がする。この間の家族全員が寝込んだひどい風邪のおかげですっかり干上がってしまった植木鉢の植物たちもほっとしているよう。一番びっくりしてうれしかったのは、もはや死に絶えたと見えたアンネのバラを枯れた部分を剪定して、水にどぶんと漬けて管理したのが功を奏して、見事に新芽を吹いた。花は今年は無理かもしれないけれど、この生命力であればきっと盛り返すだろう。生きる力というものはすごいものだと感動を覚える。
 

 心の回復に植物の力を借りるというものがあるが、実際に自分でやってみて、心が震える瞬間を体験できるのは、萎えた気持ちを奮い立たせてくれる。花が咲くとか、香りがあるとか、色が美しいとか、風を感じさせてくれるとかたくさんの要素があるけれど、そこに日々の変化を感じさせてくれるこの事の中に、自分もまた同じ自然の中に生きているのだという実感を味わうことができる。それは私を支えてくれるもの。