いやはや

夕暮れの無彩色が近い

このしばらくの間我が家はこっぴどい風邪に襲われている。つぎつぎに体調を崩し、一人がよくなると入れ替わりに誰かが体調が悪くなり、治りかけると前の人がぶり返す。
 その中でなんとか不調ながらも、私は仕事を休めないので頑張っている。母親というものは子育ての時から、自分は体調が悪くてもなんとか家事をこなそうとしてきたから、看病される体験しか持たない方々とは、鍛え方が違う。私が寝込んだら、すべてが止まると思うから、休むなんて発想はない。なんと長い年月をこうやって乗り越えてきたことだろうか。女は強いねと思う。
 強くならなければいけなかった自分の人生を抱きしめたいと思う。健気という言葉を思い出すまでややしばしかかった。漢字で書くと違和感がある。けなげはやはりひらがなで表記すべき言葉だと思った。静かで、淡々として、穏やかな時間を思う。