今日は朝から夕方まで

大寒の午後3時

出かけて行って研修を担当した。ここ数か月間は月1回高速バスで通うことになる。暮したことのある場所なら土地勘もあるけれど、通っていくうちにきっといつか自分の街になってゆくのだろうな。おいしいものを探したり、気持ちに寄り添う服を見つけたり、土地のお酒に出会ったり、まあいろいろあるのだろうな。まだ目的地にたどり着くほうが先で、そこまで自分の興味を探検して探すことはできない。帰りはできる限り早く乗れるバスに駆け込んで、ああやれやれと戻る。疲れてしまうと、一刻も早く自分の巣に潜り込みたくなる。
 姫は受験生を指導している。今日が受験前最後の指導日。いつの間にかそんな立場にたじろがない人になったのだなあと思った。私は子供を育てながら、受験間近になると、ひそかに物が食べられなくなった。食欲も睡眠もひっそりと失って不安を表さないようにするのに必死だった。あっけらかんとしているように頑張った。親というものはそういうものなのかもしれない。他人だと割り切れることも、肉親は割り切ることができない。受験生はそんなに苦心の祈りに支えられて試験場に行くんだなあ。冬から春にかけてなんと胃の痛いことか。