手紙

手紙を書くのが好きで、だれかれ構わず手紙を書いていた時期があった。この頃は忘れないうちに用事はメールで済ませてしまうので、買い込んだ封筒も、便せんもまったく使うことがない。用意したボトルのインクも可着心地の良いペンもまったく出番がない。さて私は誰に手紙を書きたいのだろうか。書きたい相手はすでに亡くなって久しい。ああ人をなくすということはこんなものなんだなあとしみじみ思った。手紙というものは何も用事がないからこそ書けるものだったのだと改めて思う。それにしても手紙を書きたいなあ。子供時代のようにペンフレンドほしいなあ。