まだある

壊れているのは冷蔵庫とストーブ。なければないで、この町なら何とかしのげるかもしれないけれど、デグーのゴンちゃんが耐えられないだろう。まったくこの小さな生き物のために即座に買おうと思った。アンデスの歌うネズミと呼ばれるけれど、手になれた小さな命は守りたい。最初は小鳥の声だと思った。小さな声がさえずっている。それがデグーの歌だとわかったときの驚き。予想もしていなかったから唖然とした。実に楽しそうにリズムを付けて歌う。この子はこれで幸せなのだろうかと思った。私たちの暮らしの中に柔らかな思いを湧きあがらせてくれるこの小さな命。守れるものなら守りたいと思う。あといくつの冬を越せるのだろうか。いなくなったらどんなに悲しいかと思うとやるせなくなる。