忘れることの幸い

 右から聞いて処理しつつ守秘義務があるので個人が特定できてしまうところは記憶の底に沈めてしまいます。絶対言葉にも出してはいけないことが日々積もっていくのでいつの間にか忘れ上手になりました。ごまかすのではなく、すっと切り替えられるようになったのです。ありがたいことです。
 この写真はネズミではありません。デグーという生き物です。この子は決して生のものは食べません。水は飲むのですが、野菜も果物も人干しして水分の抜けたものだけ食べます。大好きでお気に入りはクルミカシューナッツ。そしてみかんの皮の乾いたもの。陳皮です。私がお茶にして飲んでいたのをひとかけあげたら、小さな両手で固く抱えて端っこからポリポリと大事そうに食べます。あんまりかわいいのでついあげてしまいたくなります。この写真は巨峰の実の枝です。もうかわいくてたまらない。手乗りどころか人間の体を遊び場にして駆け上る。シャツの胸ポケットに入り込む。