それにしてもまた雨模様

 黙想会の準備と運営にここしばらくかかりきりだった親分は目の前で船を漕いでいる。気を張って準備したのだろうが、教会委員長の仕事ってどうしてこう限りない雑用で彩られているのだろうか。やってもやっても終わらない。ある人が気の毒で見ていられないといったが、そんなふうにみえるのだろうな。走っても走っても前に進まないぬかるみのマラソンのようだ。誰かがこの仕事をやらなければならないのだろうが、あと一年なんとか一任期だけでも全うできたならと思う。
 名誉などいらぬ。評価もいらぬ。ただ神の目に見えていれば良い。だけど、時々虚しさが襲う。人間にしか過ぎない私達は、人間の言葉が欲しくなる。そして自分を抱きしめてくれる誰かの暖かな手が欲しくなる。誰も抱きしめてはくれないのならばせめて自分で自分を抱きしめようか。また外は雨が降っている。冷たい冬のような雨だ。いっそ雪ならば耐えやすいのにと思う。