気がつけばあと3日

雪の近い雲

 今年を振り返ると、なんとたくさんの人が亡くなっていっただろうか。親しかった人、長く病で苦しんでいた人。それは一人ひとりとの関わりの中でしか思い返すことのできない悲しみと痛みに満ちた、しかし死しか解放することのできない苦しみでもあった。遺されるものの思いではなく、命そのものの尊厳を考えるとき、死は確かに解放の一つの形ではあると思う。
 自分の行末を考えた一年でもあった。私は残りの時間をいかに生きていくことが私らしいのか。ある人が、あなたの人生はろうそくのようだといった。確かに燃え尽きるその最後の瞬間まで燃え続けていたいと願っている。自分のためだけではなく、そのことが誰かの生きにくさを生きやすく変えられることであるならば、それだけでいい。多くの人は損な生き方をしてひっそりとその人らしく幕を下ろした。慎ましやかなしかし確実な一歩を刻みながら行き、死んでいった人々に深く敬意を払う。私もその後を行くものでありたいと願う。