さようなら

あやしいものが近づかないように

もうすぐ雪が降る
夏の暑さを  何とか乗り切って
ああ  秋の風だねと 
窓の向こうからやってくる空


微かに感じ取って
あなたは手を伸ばして  つかもうとした

手は何かを掴んで  そして其の重さに耐え切れず
パタンと落ちた

あなたはもう何も言わない
誰かに向かって精一杯  音を出す
喉を通ってくる其の音は

言葉の姿を持っては居ない

いつまで
もうすぐ

そしてあなたはいつの間にか体を残して
心は旅に出かけてしまった

さようなら  さようなら

体はもうしばらく季節の中に横たわっているよ
あなたは
今とても自由だ