今日は次男の誕生日

生まれてくれてありがとう

若かったから、妊娠してても普通に暮らせた。この日私はバケツを持って裏の土手の斜面でムラサキシメジやクギタケやハツタケを採っていた。面白いくらいに採れてバケツは収穫でいっぱいになった。お昼に戻って幼稚園のお迎えに行って、ん?と思った。陣痛が始まっていた。荷物を車に積んで取り敢えず産科に運んで、「あとでまた来ます」と戻った。何しろ上の子がいるからぎりぎりまで家に居なければ。掃除機をかけた。親分は会議が終わらず戻れない。仕方がないから近所のおうちに長男を頼む。自力で車を運転して行く。どのみちこの時点でまだドライバーは私一人だったので運転するのは自分しか居なかった。ごく当たり前の感覚だった。結局親分は長男を連れて生まれるまで産科にいてくれた。分娩室の外の廊下でカランカランと灰皿が転げる音が聞こえて、「ゴメンナシャイ」という声が聞こえて、ああ何やっているんだろうね。と心は半分上の子のところへ。次男はとてもいい子でお産そのものはかなり短時間で済んだ。
 新生児黄疸がひどくて心配したけれどなんとか収まって無事退院。長男とは対照的におっとりしてよく飲み、眠る赤ちゃんだった。思い出そうとしなくても後から後からあの日の記憶は戻ってくる。幸いな思い出たち。宝物の記憶。