一仕事終わってきて

外灯が点いた

しみじみと夏なんだなあって思った。光が違う。風の匂いが違う。雲が違う。いつの間にかゆったりゆったりと風景が夏にすっかり衣替えしてしまっている。気温だけがまだ寒さを残している。
 自分の周りの風景がこんなにも変わっていることがなんで気づかなかったんだろう。それだけ見ているようで何も見ないでただ記憶にも留めないで突っ走って生きてきたのだ。なんと情けないことだろうか。もっと敏感に生きていくことが願いなのに。こんなに感覚を鈍らせてどうする。
 やらなければならない事があっても、ほんの一時、素の自分に戻る気持ちの切り替えが必要であるよ。それがなければ「気がつけばこんなに来てしまった」というような流されっぱなしの人生を歩くことになる。自分の人生だろう。自分の命の時間だろう。情けないね。