午前の部終了

 昼ごはんに向けて戻ってきたら、友人から桜桃が届いた。季節の便り。今年は天候不順で大変だったろうに、日本の農家は優秀だね。何があろうと季節に合わせてきっちりと仕上げてくる。 今年も福島に桃を買いに行こう。福島の桃は、みんながいて、みんなが元気だった時の味がする。誰も、自分がいなくなることや病むことを考えず、ただ「美味しいね」とむしゃぶりついた。あの日々からなんと遠くに来てしまったことだろうか。もし時をたぐり寄せることができるものならば、ほんのひと時でよいからたぐり寄せたい。
 今日はこれから姫と少し安息日を楽しむことにする。美味しいお菓子を食べに行こうか。それともちょっとしたむだ使いを楽しもうか。ひとりひとりの心に、柔らかな風が吹き込みますようにと願う。この街は空気がギスギスしている。もう少しやさしい表情で生きようよ。睨みつけないで、刺すような眼で見ないでください。怒鳴るように吐き捨てないで。言葉をそっと手渡してください。みんな日々の暮らしにつかれているのかもしれない。復興‥・なんて遠い言葉だろうか。