プレゼントされて嬉しかった絵本

 駒子さんの絵本は基本的に心にストンとくる。この絵本も胸の扉にコトンと落ちた。幾度読み返しても飽きることがない。遠い記憶の中で呼び合うものがあるのだろう。私の中の大人になりきれなかった部分がほっと小さく息を吐く。

金曜日の砂糖ちゃん (Luna Park Books)

金曜日の砂糖ちゃん (Luna Park Books)

 私の中に消えずに残っている子どもたちの幼い頃の一瞬の表情が画面に残っている。そしてその時の体温も、息遣いも蘇ってくる。愛おしく、切ない一瞬の記憶。こういう本に出会えた人は幸せなのだと思う。私はたくさんの思い出の欠片を持っている「幸いな者」だなあ。