今日手に入れた本

 大好きな人だった。テゼ共同体という教派を超えて共通理解を根幹にもった人の関わり方を提唱した人で、マザー・テレサと共著で三冊の本が出版されている。ブラザー・ロジェが祈りのさなかに刺された時のニュースとインターネットで流されていた情報の画面をあまりのショックで今でもまざまざと覚えている。この人と同じ時間を生きていたことはすごい恵みだったと思う。胸深く落ちてくる言葉をたくさん残してくれた。

愛するという選択―テゼのブラザー・ロジェ

愛するという選択―テゼのブラザー・ロジェ

 ひとはここまで命を燃やすことができるのかと感嘆する。闇と光の中に生きる定めの人間という存在を理解し、さらに受け入れ自ら殺され、その相手を許して死んでいったなんという人生だろうか。彼の生涯のテーマは「和解」だった。