びしっと厳しい雨

閉ざす、開く。どちら?

 濡れたら骨まで染みそうな冷たさ。昨日の夜見たホームレスは今日はどこで雨をしのいでいるのだろうか。デパートの入口のドアとフロアーの間のベンチや、駅のスペースや、図書館や。区役所や様々な場所に紛れ込んでじっと動かない姿を見ていると、同情よりももっとやるせない感情が動く。人生のほんの少しの狂いからこうやって自分を、身一つで世間に投げ出さざるを得ない生き方をしている人たちが、どうすれば屋根の下で身を伸ばして暮らせるようになるのか。
 ホームレスをもう一度社会人として世に送り出す活動をしている人たちや、元ホームレスだった人たちとの関わりを通して、彼らと自分自身の距離の近さを思う。ほんの少しの違いでしかない危うさの中に私の人生もある。私ではなく、なぜあなたがという思いはある。