菅野美術館

塩竈の菅野美術館に行った。住宅地の中にあり袋小路とすれ違うこともできない細い急な坂道。その先に小さな彫刻美術館がある。
公益財団法人菅野美術館 宮城県塩釜市〜塩竈の一角にある小さな美術館。建築家阿部仁史先生作の特徴的な建築です。
木内克彫刻展をやっていた。姫が授業で見に行かなければならないというので何が何でもと出かけた。しかし、一回以前訪問しただけではとてもわからなかった。地図を片手に一時間以上かかってやっとたどり着いた。自分の感性を大切にする、独自の世界観をこんな風に展開しているのかと思いつつ見た。こんな風に自分の感性を表現してなお生きていく場所を獲得できるのはごくごく少数なのだろうな。埋没して沈黙していった表現者たちを思った。世に問う時、世はバランスを共通性を求めてくる。個の感性は不安感を生み出してそれは不快感につながってゆくことも多い。その中で「私」を生きることは難しい。世に受け入れられる私と、私を生かすための私と二通りの生き方をしていくことが生き延びるために必要なこともある。すり減ることも、窒息することも、失うこともある。表現者を貫くことは、常識でくくられた平和な人生を生きないことでもあるなあ。