ふと白いものが舞うのを見た

この扉を開けたら空が

もしかしたら雪虫なのかもしれなかった。交差点で信号待ちをしていて窓の外をチラチラと何かが舞っていった。確かめ用もないけれどもし雪虫ならば、あと二週間で初雪が降る。北海道に住んでいた頃、雪虫が舞うのをわくわくしながら待った。子供は雪が好きだ。大人のように生活のしたくもない。ただまるごと季節の変化を受け入れ、其の中にまた新しい遊びが始まる。季節と一体になって生き者の生活が生み出す喜びがそこにはあった。寒ければ寒いなりに、暑ければ熱いなりに自然の中に生きるものとしての見の処し方があった。いつの日から私たちは自然の中に生きるものとしての自分を見失っていったのだろうか。寒いとか暑いとか当たり前の感覚が鈍くなっているなあと思う。今日は暑いのか寒いのかを人に聞いて自分の着るものを決めるのはおかしいのに。