日記を書いていて

モールの屋上から」

ふと気がついた。二年前の記録に、小さく合格と書き添えてあった。
まるで急がしい一日の終わりにくっつけたみたいな小さな文字。

イヤイヤあのときの緊張と嬉しさは最高だったのに。何でこんなにささやかに書いてあるんだろう。この日の為に家族で頑張ってきた。そう思ってしばし感慨にふけりたくなった。
忙しくてほんの少しだけ浸っておしまいになったけれど。

 子供を育てていて嬉しいのはその子が自分らしさを輝かせてくれたとき。親が何をしたわけでもないのに、ただひたむきな姿が嬉しい。ああ、この子はもうすぐ自分だけで生きてゆくことができるようになるんだと思う。
 親の役目は、見守っていること、信頼して静かに見守っていることだと思う。誰かに信じてもらえて、期待されて、何かを成したとき心から喜んでもらえたら、それだけで生きることが楽しくなる。人は誰かを喜ばせることが出来たら、自分が誇らしく思えて、自分に力を感じることが出来る。生きていることが意味のあることに思えてくる。親の役割はそのことにあるのだと思う。
 私が生きていることで、誰かが幸せを感じることができる一瞬があるとすれば、私の人生もよきものといえるのだろうな・・・・