ゆき

西の空は雪の雲

雪が降る
絶え間なく雪が降る
あの日も吹雪だった
あの時
激しく降る雪の空を見上げながら
自分の人生が変わってしまったと思った


あれからもうすぐ一年が経つ
親しかった人々が亡くなってしまった
父方の叔父は福島に住んでいた
連絡が取れない


幼い日に
海に連れて行ってくれた
叔父や叔母は今どこでどうしているのだろうか


生きているのだろうか
死んでしまったのだろうか


誰に聞くことも出来ない
海辺の地名は
切なく響く


雪が降って
何もかも被いつくして
やがてそこから 失われてしまった記憶が
戻ってくるのだろうか