母の代から
婦人の友社の家計簿を使っている。母が亡くなるまでの53年間。私が親分に家計を移管するまでの38年間。これはすごいと思う。 結婚したときから当然のように記帳始めた。この家計簿には資料としての役割もあって、「婦人の友」には「家計簿を付け通す同盟」と言うグループがある。若いころはこれに加盟してせっせと報告書を出していた。
親分が今PCで家計管理をしているが,この震災後私の不安感がどうにも治まらず、これは自分が家計の記録をやめてしまったからだと判ったの。そこで、私も自分の精神安定の為に家計簿をつけることを申し出た。かれの使っているソフトも同じ婦人の友の家計簿ソフトなので同じことを二人がそれぞれやるよりも一日の終わりに家計の話しをしたらよいではないかと思うが、それをする時間と気力が一日の終わりには残っていない。
まったく馬鹿げたことではあるが、私の精神安定の為に道楽だけど家計簿をつけることにした。支払いを思い起こし、その流れの中で生活を思い起こす。そしてその結果を記帳する時間の中で自分の一日の整理を今までしていた。そのプロセスが大事なのだと思う。ささやかな家計だけれど、今度の震災で人生が変わってしまったからしょうがない。今までの人生設計も何もかも私の中で崩れてしまった。
震災の後は目に見えないお金が湯水のごとく出て行くものだと思った。怖くなった。今までの生活と同じに暮らしてなんかいけないんだとわかっていても、ではいったい何がどう変わったのかがつかめない。
不安を感じるなら、不安の原因を出来る限り自分で取り除くべきだ。数字で納得したいなら、自分でその数字を洗い出して積み上げねばならない。今までやってきて信頼の置けるやり方をもう一度自分でやってみようと思う。これが私なりのリカバリーの一歩なのだと思った。一つ一つアイロンがけや、掃除や、物の整理をしながら自分の日常を取り戻してゆかねばならないと思う。
この家計簿のよいところは予算を組んで家計管理をするところ。はみ出してもすぐわかるし、時間をかけて取り戻してゆくことも出来る。こんな震災後のセルフケアもあるのだと、気がついたことに万歳。言葉に置き換えられないこみ上げる不安感は、経済的な見通しのなさだったのだと納得。
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まったく馬鹿げているけど自分の治療のためならやろうじゃないかと思った。それほどにこのこみ上げる不安感は私にとって苦しい物だった。