まだまだ果てしなく

 この無人の街は続きます。そのなかにもぽつんぽつんと業務を再開している工場があります。未だ瓦礫の積み上げられている場所の脇で何とか業務を再開している姿に、胸が熱くなります。人間は何とけなげな生き物だろう。生活すると言うことは何と厳しい物だろう。この一本の道路の向こうに交差点があり、このように書いてあります。
「この先、被災地につき居住者および工事関係者以外の通行を禁じます」
 この写真をとった道も路肩は崩れ、ガードレールは曲がりくねり、道路標識は斜めに折れ曲がっています。陥没した道路を路肩から落ちないように注意しつつ徐行する。
 私の街の姿。私の家はゆっくりと家らしくなっていくが、この場所はさらに時の流れが遅い。この家たちの家族はもう戻ってくることはできない。だけどここにあった家族の希望や喜びはきっと叉沸きあがってくるだろう。人間はタフな生き物だ。お前はここから新たな歩みが始まると信じるのかと問われれば、私は信じると答える。いかなる力であっても奪い去ることの出来ない希望が人間の心の中にある。