行き詰って

小鳥の蛇口 小鳥口?

 自分がこなさなければならない物が物凄い勢いで増殖していくような気がして、振り回されないで何とかと起こらず混乱しないで進めていくためには、この人の本が役に立っている。自分がどこにいて今何をしなければならないのかが見えてくる。当面頭の中の道案内だ。混乱する前にどうすればよいのかが判ることがどれほど大切なことか。体験してみてよく判る。もう少し早く出会っていれば、あの時楽だったかもしれないと、思うことがある。きっと出会うためのタイミングは、これが一番ふさわしいのだと思う。そのことが起こる前に出会っていたら、多分見過ごして何も感じないで通り過ぎていくだろう。人も、思想も、哲学も、もろもろの出来事はみなその時に必要な物が与えられているのだろう。ただ私がそれを知らないだけなのだろう。そう思って気持ちを静かに見つめてみると過不足なしと言う言葉が持つ意味合いが善くわかる。蛇口をひねるのは水が必要なときだけだ。水が必要なのは私自身だ。ふとそう思った。求めることがまずあり、そこに蛇口が介在し、その後に水が得られる。その順序は崩れない。こんな簡単なことさえ私の体験になるまでには長い時間がかかった。