やっとのことで

風の道 光の道

三月に予定していて、震災の為に出来なかったリーダー講習をした。ほっとした。これで私の団は全部門のスカウトを引き受けることが出来る。小さな団で全部門のリーダーを持つことはほとんど不可能。しみじみとトレーナーになってよかったと思った。せっかく見学に来てもらって受け入れることができなかったら申し訳ないもの。
 気がついたらいつの間にかお隣が引越しをして空き家になっていた。地震の後、まるで沈没する船から逃げ出すように人が出て行く。確かにエレベーターは未だ一基しか動いていないし、それもしょっちゅう止まるし、水は断水するし、朝から晩まで工事の音はするし、ネットに包まれて外は見えず風も抜けないから、うっとうしい。建物全体が蚊帳の中に入っている状態。何より気になるのが工事の人が手の届きそうな足場の上を歩いて視界を横切っていくこと。いちいち覗かれるわけではないのだけれど、いきなり中空を膝から下が通っていったり、ヘルメットが通っていくのは普段ありえないことだけに、いちいちギョッとする。気持ちが悪いんだなあ・・・。
 そろそろ「命の授業」の打ち合わせをしなければ・・今年のテーマはどうしようかな。この大震災をテーマにしないわけにはいかないのだとは思うけれど、高校三年生にとってこの大震災はどんな影響を与えているのだろうか。言葉を選ばなければ怖いなと思った。どんな体験をしているか判らない人に向かって不用意な言葉を吐いてはいけない。傷つけたら取り返しがつかない。