壊れた
アラビアのムーミンシリーズのマグカップ私のを残してみな壊れてしまった。姫が悲しんだ。さも無いことだけれど何とかまた食卓にムーミン村を再現したくなった。まったく同じ物はメモリアルカップが手に入らないので無理だけれど、何とかまた同じようにムーミン村を作りたいな。
【正規輸入品】 ARABIA (アラビア) ムーミンマグ パパ Moominpappa in his thoughts
- 出版社/メーカー: アラビア(Arabia)
- メディア: ホーム&キッチン
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なんということもなく日常を知っていたささやかな物。大切にしていた一品物はもう欲しいとは思わない。日ごろの食卓に一緒にいた日常雑貨の方が失われてしまって、もう無いことが切ない。家族の一部のように感じるのだろうか。形見という物が持つ意味を思った。
ラシャペルさんは休暇で本国に戻ったときお土産にプリンスエドワード島の白樺の皮と水辺の赤土をくれた。ふるさとの記憶だったのだろうな。物は物にしか過ぎない。そのものに愛着を持って縛られることはおろかだ。ただその姿を鍵として記憶をとどめることは出来る。そういう意味でなじんだ物を人は大切に思うのだろう。この津波はその記憶のよすがさえ押し流し奪い去った。
自死遺族に関わっていて、自死された方の遺品のすべてを焼く、何も残さないという風習のある地域の人が「思い出すことも、もう出来ない」と泣いておられたが、思い出さないために、過去の悲しみに決別するためにここまで厳しいことを遺族は求められるのだなと思った。それは優しさであったのかもしれないが、記憶が消えていくものであることを考えるとその辛さはいかばかりかとも思った。
ムーミンのマグは何も起こらなかった平和な日常の形見なのかもしれない。あの日を随分遠くに感じる。
明日までに30cmの雪が降るのだそうな。寒さがまた人の命を縮めるのかと思う。