癌から生還した友人が

 親分と夜シンデレラで話を楽しんだ。名目は教会の仕事なのだけれど、二人とも死線を超えてきたから、生き延びた人しか分かり合えない気持ちを語りつくしたかったのだと思う。元気な病人同士いろいろ生き延びた世界について思うことがあるらしい。人は一度死ぬ覚悟をすると、世の中が新鮮に見えるものらしい。ここが自殺未遂者との大きな違いだ。生きていることを恵みと受け取ることが出来るか、死ねなかったと思うか。生かされていると感じることは簡単に出来ることではないのだ。生き延びた体験は神様からの特別のギフトだ。だからこそ引き受けねばならない生き方があるようにも思える。この二人同じ年配でまるで兄弟のようだ。見ていてやんちゃ坊主が二人で何やってんだかと思ってしまう。