奨学金

 姫が奨学金を受けることが決まった。入学時に授業料だけの金額を申請した。アルバイトをする時間を作り出すことは無理なので、何とか無利子の奨学金を借りることができたら、アルバイトの時間を実習に振り分けられると思った。ありがたかった。親分が仕事を辞めて、いろんな生活の場面が変ってきた。基本的に困らないだけのものは用意はしたが、それでもこうやって子ども自身が自分の力で自分の道を切り開こうとしてゆくことが嬉しい。
 今日は、亡くなった方のための予定の日だったので、もうこの日は空いたままだ。カレンダーの中の予定を消してゆく。何かきっとこの穴を埋めるものがまた入ってくるのだろうけれど、今しばらく静かにこの日を空けたままにしておきたいようにも感じる。あの人を忘れないでいたいと思う。ほんの少しの間の時間でよいのだから。