総会

灯りが恋しくて

 今年の春高校を卒業して大学生になったスカウトたちがお別れに来た。県外に遊学するスカウトあり、すでに将来を見据えて就職先のアルバイトを決めて働き出しているスカウトあり、自分の学費は自分で作らねばならないからとバイトをするスカウトあり。さまざまな事情を抱えながらも屈託なく、明るい。そして堅実だ。いつの間に彼女たちはこんなにもしっかりと自分の生き方を見つめ伝えることのできる人に成長したのだろうか。
 スカウト活動をしていて感じるのは、このひたむきな真っ正直な姿をそのままに育ててゆくことができるのならば、やがて彼女たちが大人になって社会に生きるとき、きっとすばらしい働きをするだろうなという事。少女時代、自分の中に社会性を育て、生きることの意味を問いながら育ったことは決して無駄なことではない。そう信じられる何かが、感じ取れるから私はここにいるのだろうな。
 世界的に見てもスカウト活動はUNCOOL(かっこう悪い)と思われているらしい。ドラマでもボーイスカウトガールガイドは生真面目で融通の利かない、ダサい象徴のように描かれる。それでも、本気で生きようとするのならば、スカウト活動を通して学ぶ物は無駄ではないと思う。
 創設者B-Pの言葉に
PADDLE  YOUR  OWN CANOE.
というのがある。私はこの言葉を旅立ってゆくスカウトたちに贈った。自分のカヌーを自分でこげ。当たり前のことを言っているのだけれど、それができる人でなければ自分の人生を生きてゆくことはできない。人生で思わぬことが起こったとき、人任せに生きていては自分で切り抜けることはできない。