私の大好きな本

おいしい手づくり手帖―ていねいに暮らす

おいしい手づくり手帖―ていねいに暮らす

 著者は、阿部なをさんのお孫さん。阿部なをさんは素朴な青森訛りの言葉でおいしい手料理を教えてくれる人だった。気丈できつそうな人だなあと思いつつ、そのきっぱりとした姿が好きで本を集めたりしていた。引越しを繰り返すうちにみな失ってしまったけれど、どうも料理のスジが阿部なをさんぽい若い料理家がいることに気がついた。河合真理さんだ。経歴を見たらお孫さんだった。この人はなをさんよりさらに一歩素材に歩み寄った感じの料理を作る。一本骨の通ったしゃっきりした料理だ。辰巳浜子さんが育てた辰巳芳子さんが母の大地に自分の木を育てたように、この人もまた祖母の大地に自分らしい木を育てた人なのだなあと感じて、好感が持てる。ベーコンを作ろう、ソースを作ろうと思う人にはぜひ。暮らしが何となく豊かになった感じがします。