一休みしましょう

雲の後はまだ雪

 高校に入学したときから、ひたすら全力で受験に向かって走り続けてきて、センター試験が終わった。さて本番だというときになって少々体調を崩した。親としてははらはらするが、カウンセラーとしてはここでいったん仕切り直しをしたほうがよいと思う。
 いくら受験生であっても、若い彼らであっても張り詰めたままの状況を維持できるものではない。心が萎えてしまう前にいったん緩めて、また立て直すことが必要。センター試験と個別試験のこのわずかな時間を如何に乗り切ってゆくか、燃焼しすぎて潰れてしまう前に。緊張している時間と緩む時間がうまく自己管理できる人はよいが、我が家の子供たちはそれがとても下手で緊張しっぱなしでポキンと折れてしまい、結果として体調不良になって現れてしまう。まじめなのはよい事だが、まじめすぎることはつらいことだ。
 ゆったりと、健康なままで最終試験に立ち向かって欲しい。ゆとりが無ければ、頭も持てる力を発揮できない。混乱しないためには余力が必要。まあそんなわけで突っ走るだけではなく一休みも大切だということですかね。病気にならないと休めないというのも悲しいことだが。
 それにしても、高校三年間はものすごい高密度で過ぎていった。部活もやり、授業、課外も出て、休日は模擬試験を学校の分、塾の分と受けた。そして夜は塾にも行った。ガールスカウトも続けた。頑張ったと思う。
 いつかきっとこの時間があったから「あの時自分は乗り切ったではないか」と思うときが来る。自分が体験したことが自分を助けてくれる。それにしても・・・厳しい三年間だったと思う。鋼の心と身体を持っていて、健康な家庭が無ければどこか壊れてしまうだろうと思う。正直に言えば異常だよこれは。
 自分たちが進学のために選択したコースだっただけに、つらさもある。ほかの生き方を選択しようと思えばできたから。姫の友人たちは部活に明け暮れ、楽しい高校時代とバイトで得たお金でライブに東京まで出かけたりする余裕があった。何が正しいということは無い。ただ、この選択が姫の人生の一時期を決めた選択であったこと、そしてまた新たな扉を開く力になったかもしれないと思うことは確かだ。合格してみなければ分からないけれど。
 この厳しさの中で出会った人々のくれたものは大きい。姫が「教師になって学校に戻ってきたら、先生たち喜ぶかな」とつぶやいた。関わってくれた教師たちがそんな夢が持てる大人たちであったことは確かなことだ。それは私たちに暖かな思いをくれた。