戻って

 余りに疲れて一眠りした。親分が鍋を作ってくれた。家族がいるっていいなと思った。たったこれだけのことなのに、とても豊かな気持ちになった。今日一日私の中にあった思いはこれだったのかもしれない。老いが悲しみだけだとは思いたくない。幸いな老いもあるはずだ。家族、夫婦、親子。ほんのひと時の人と人の関わりの中で幸いはつむがれてゆく。