パートナー

 買ってきた雛鳥は、余りに小さなヒナで多分どこかに問題があるらしい。懸命に餌を食べるが体全体が不安を感じさせるひ弱さで包まれている。ふと思い立ってパートナーを連れてきてやろうと。同じケージのヒナならば寄り添い合って育つのではないかと。そこで追加の一羽を買ってきた。五月の空の色。一回り半大きい。二羽で寄り添って羽繕いをしたりクチュクチュなき交わしたり。やはり相手がいるとこんなにも豊かな表情が見られるのだなあと胸キュン。先にいたほうは大好きな石の名前を取って「ラピス」と呼ぶことになったらしい。もう一羽はどうなるのだろうか。手の中でちいさな暖かいやわらかさを感じている。殆ど重さを感じないほどの軽い生き物。この子達がまっとうに生きられる時間は十年が最大値。あと十年。共に生活できますように。