ベランダにあれこれと鉢を置いて野菜と花を育て始めた。それぞれせいぜい一鉢づつなので大した収穫にはならないだろうが季節を身体で知るには野菜を育てることが一番よい。毎朝微かな土の上の緑に「芽がでてきた」とワクワクする。双葉が出てくるとはじめてそれが何の種だったのかが分かったりして、何でこの組み合わせで種をまくんだと思ったりする。ゆったりした気持ちになるから不思議。植物はその姿を通してイロイロなことを伝えてくれるものらしい。昨日買ってきた「大文字草紅珊瑚」は初めての栽培。どうやって育てるのか分からない。ネットで検索して、山野草であることを知る。ついでに「都忘れ」も調べる。何処にでもありそうだが自分で育てるのは初めて。調べてびっくりこの花は日陰の花だと。てっきり日光が好きと思っていた。早速日陰に移動する。こんな些細なことが楽しい。何処に行っても真っ先に買うのがナスタチウム。このはかなげな花が好きだ。膨らんだ種を噛むとぴりりとからしの味と香りがする。花も食べられる。原色の黄色・橙・赤が強烈。肥料気があると決して花をつけない。蕎麦のような花だ。盛岡に越した時公園の側に花屋さんがあった。ギュダ君と自転車で行ってかご一杯に花を買って帰ってきた。毎日通ってベランダを花だらけにした。懐かしい思い出。青森にいたときは窓一杯にホクシアの鉢をつるした。そこだけまるで地中海みたいだった。思い出すと移り住んだ街一つ一つに花の思い出が重なる。一番辛い時ベランダで花を育てることが出来なかった。もう一度花を育ててここでの暮らしをはじめようと思う。