人生は巡り巡ってまたもとの場所に

mugisan2009-05-15

ある薬物中毒の人がこんなことを教えてくれた。自分は自分が育ったのとは違う結婚生活をしたかった。そう思って結婚した相手は後で気が付けば父親の性的虐待を受けて育ってきた人で、日常的に殴られて育ってきた人だった。人を殴ることは最初は抵抗があったけれど、何かあるごとに「しかってください」といわれるうちに殴ることがなんともないことになって本気で殴っても気にならなくなった。子供が生まれたけれどしつけのためだといって夫婦で殴った。いろいろあって自分も奥さんも不倫を重ねた。子供はそれを目撃して育った。やがて身体を壊して仕事が出来なくなり、奥さんが夜働きに行って家計を支えた。売春もやっていた。子供は万引きを繰り返し不登校になったけれど何とか頑張って大学に入った。東京に行って自由になったら今度は子供が夜の商売をはじめていることを知った。今は母親も子供も身体を張って商売をしている。自分はもうすぐ死ぬけれど、子供は親が生きてきたとおりに育ってゆくんだねえ。自分はレイプこそしなかったけれど、精神的にはレイプしたのと同じだ。奥さんは自分の人生をそっくり子供に引き継いだわけだ。自分は薬をやって、逃げたはずの自分の親の人生を生きてしまったよ。
 バイヤスをかけているので誰のことかはわからないと思いますが、私はこの方とであって、もがいてももがいても、自分が育ってきたようにまた家庭を作ってしまう悲しさを感じました。ああなりたくないと思っているのに身に染みた行動しか取れない。どこかで本気で自分を作り直すことをしなければ自分が正しいと思ってやっていることが実は自分がされたことと同じだと気が付かないのです。
 人は変わることが出来る。
生きなおすことが出来る。
それが人生の最後の時間であっても。
なぜなら今このときは
あなたの残りの人生の
最初の一瞬なのですから。

私は心からそう思います。