保護の谷間で

 生活保護支給のハードルが高くなっている。税金でまかなわれているのだけれど納税した人が全て受給できるとは限らない。かつて働いていた時、滞納もせず一生懸命納税してきたのに、自分が生活困窮者となった時何故受給できないのかといわれても、いろいろな条件があって申請すれば誰で設けることが出来るものではない。その規則の谷間に落ち込んでしまった人たちを救う手立ては今のところない。「死ねということか」といわれても担当者にはどうすることも出来ない。心やさしいその担当者はぽつんと「この仕事はむごい 」とつぶやく。優しければ優しいほどに痛みが刺さってくるのだ。割り切れない思いを何処でなだめたらよいのだろうか。話を受け止めながら切ない思いで私も胸がいっぱいになる。死んでやるなどといったところで貴方の窮状はこの人の所為ではないでしょうに。心の中で繰り返し飲み込む。福祉に携わる人もまたこうしてぼろぼろになってゆく。