夕方面接

 夕方クライエントと会う。もうわたしから卒業しても良いのだが、経過観察と時々起こる発作に備えてかかわりを保っている。心は不思議なものだ。同じことが起こっても乗り越えられたりつぶれたりする。その状況をすばやく見極めて支えを出したり自力で乗り越えるために見守る。わたしの行っていることは認知行動療法なのだがケースバイケースで、対応は異なってゆく。こうすればよいというお決まりはない。相手の心にぴたりと寄り添いつつ依存させないためには私自身の緊張と自己研鑽が必要。気を緩めると心を受け止め損ねてしまう。馴れ合いではできない。怖い仕事をしているなあと思うことがある。カウンセラーになりたいと相談を受けるが、まず自分自身が一人の人間として踏ん張れるか。自分の感性を磨き続ける忍耐力があるか。自分の限界を受け入れることができるか。多分この仕事はしんどさにかけては天下一品ではないだろうか。共倒れしないで巻き込まれないで相手の生きる力を空いて自身に取り戻してもらうためにはその何倍ものエネルギーが必要。
 欝の治療として注目されつつあるが、カウンセラー自身の適性が最も問われるような気がしている。