夜になったら

 写真が変わっていた。不思議でも何でもないことなのだろうけれど、その理屈が私には分からない。
 今しばらくの間、もう少し姫の撮った写真を載せてみたいと思う。ルーブルで撮ったものがまだ残っている。パリの美術館は写真を撮っても良いから日本の感覚から行くととても怖い。誰かに怒られそうな気がしてびくついてしまう。骨の髄までミュージアムマナーがしみこんでいるらしい。姫は私の好きそうなものをいくつか撮ってきてくれたのでここ暫くかけて載せていこうと思う。
 ここ暫くの空の写真はこの街の空です。空の向こうに天国があるわけではないのに何故かそう思いたくなる。見上げてあそこにきっと待っていてくれるんだと思う。あそこから見守っていてくれるのだと思う。風が吹けばほほに触れてくれたと思う。何て現実味のない感覚なのかとは思わない。そうやって身の回りに起こる全てのものの中に面影を見ながら私たちは愛するもののいない時間をやり過ごして生きてゆくのだ。