朝早くから

 出かけていたので夕食はどうしようかと思ったら親分がおすしを買ってきてくれていた。このごろ私が不定期に家を空けて夕食の支度をすることができないことが増えたので、彼は彼なりに何とかしてくれようと努力しているらしい。ありがたいことだと思う。いちいち言わなければ何一つ先に進んでいかなかった昔、こんな事で私はいらだったなあ。今彼は自分の役割を果たそうとしてくれる。
 男がやらないのではなく、やらねばならないことを知らないのだと思うことがある。彼らはやらなくても生きてこられたから、やるべきことをいつやったらよいのかが分からない。今、独り暮らしを体験した若者が増えてきて、そんなカップルはお互いに役割分担を何も言わなくてもやってのけている。すごいなあと思う。ジェンダーが穏やかな形で消えていき、対等の関係の中でそれぞれのセクシュアリティがお互いによきものとして受け入れられて生かされてゆけば結婚生活は豊かなものになるだろう。夫婦は共にお互いのかけたる部分を補い合い高めあう存在になれるのだろうな。