風が強い

 朝風の音で目が覚めた。カーテンを開けると青く澄んだ空一面に風にあおられて木の葉が舞い飛んでいた。小鳥のように。一瞬空一面に小鳥が舞っているのかと思った。美しい光景だった。今日一日のいのちを又頂いた。
 この日一日何をしようか。今頃姫は何をしているのだろうか。石造りの街は冷え込む。木の文化とは基本的に異なるものがある。その違いを肌で感じ取ってきて欲しいなと思う。彼女が育った街は最早木の文化とはいえないかもしれないなと思いつつ・・・今朝の木の葉を見ながらそんな思いがよぎった。