聖ニコラス

日が昇る

 きょうはニコラスの祝日。ジョナサンの堅信名のお祝い日。オランダ語で、サンタクロース。酒屋と無実の罪に問われている人の保護の聖人。朝、風の音で目が覚めた。カーテンを開けると空が晴れていてその澄んだ空いっぱいに小鳥のように木の葉が舞っている。美しい光景だった。嬉しくなった。
 子供達の暮らし向きの事で色々悩むこともあるけれど、親は何もしてあげることが出来ない。今わたしに出来ることは私自身が自分の命をいかにきちんと生ききるかということだ。一人の女が生涯を貫いて何を守って生きていったのか。直接の支えにはならないかもしれないが、あの人はこう生きていたなと目撃することは何かのヒントにはなるだろう。昔こんな生き方をしていた人がいた。その根っこにあるものは時代が変わっても変質はしない。一つのいのちが残したものが誰かの道しるべになる。親がしてやれるのはいのちの書を書き続けることでしかないのだと思う。失敗をしてどうそれを償っていったのかを残せるのは親である私だけなのだなとも思う。恥じ多き人生もそれなりに使い道がある。と思う。