ひっそりと亡くなっていった

冬の陽の透きとおった明るさがいい

 娘を可愛がってくれた方がひっそりと亡くなった。人は生きたように死んでいく。いつ旅立ちの時がきてもわたし達は断ることも、待ってもらうことも出来ない。ただ静かに旅立ってゆくしかない。何も思い残すことなく燃え尽きて死んでいったであろうその生き方に感嘆の思い。生まれた時に裸であったように死んでいく時はその身体さえもおいてゆかねばならない。物に縛られることなく、人に縛られることなく死んでいけるものならばと思う。生きている このひと時の苦痛など些細なことなのだきっと。