笑顔

 静かな笑顔はひとの心に光をともす。無心に何の警戒も持たずもたれず他者に近づけることは幸いなことだ。たとえ前の日に傷をつけられても、あたかも何もなかったかのごとく。無心の笑顔ほど力を持つものはないと思う。その笑顔を支えるためには並みの修練では身につけられない鍛錬が必要だ。人は自らの傷から優しさを手渡す。年老いた方から微笑を頂いた時、伏し拝みたくなるような光を感じるときがある。私もこんな微笑をもてるようになりたいと思う。