追い込みに入った

雲はかさなって流れて

 原稿書きをするが、優先順位の第一位は、遺族からの手紙の返事を書き上げる事。この人の命綱を握っているかもしれないと思うから、気を抜いてありきたりのことはかけない。しっかりと向き合ってココロを絞り込んで言葉を書く。深く心を沈みこませる。自分だったらどう向き合って欲しいのかはその人その人個々に違う。この人に受け入れてもらえたから、別の人にもそれが当てはまるとは限らない。
 自分の力を過信しない。心を込めて虚心坦懐に向き合う。おごりがあってはいけない。命は相手の中にある。それは見えてはいるがわたしの手で如何こうできるようなものではない。何もできないけれど、わたしは貴方の力を信じてここにいますと見守っている。それがわたしにできる最良のことだと思う。手を出し、口を出したほうがどれほど楽か。楽なのはわたしであって相手ではない。そのことが分からなければいっそ関わらないほうがまだ親切ではないかと思う。気まぐれに関わって途中で放り出されることくらい手ひどい仕打ちはない。