身体が弱いこと

 我が家の子供達は身体が頑強ではない。呼吸器系が弱くすぐ熱を出す。不調かなと思ったらどんなことをしても、手当てをしてもずるずると寝込んでしまう。そのことが本人にとってどれほど辛いことか良く分かる。学校はずる休みとか怠け者としか判断しないし、一旦そう思われると、ぎりぎり頑張って出て行っても、出てきたんだからと休んだ日の分も求められる。学校の立場も分かるが本人も辛い。だから「休んでもいいよ」というと壊れた人形のように眠る。眠っている子供を見ていて、親の育て方が悪いのだろうかとか生活環境が悪いのだろうかとか、親が高齢出産だったからとか色々考え込んでしまう。自分のせいにしたほうが楽なのだ。
 そこでふと思う。こんな時期があってもいいではないか。亡くなった私の息子はこの身体の建て直しのための時間を持つことを許されず、ぎりぎりに自己燃焼して、燃えきってしまったのではなかったのか。子供に無理をさせなくても時間はまだあるではないか。生きてこそ。生きてこそだと。
 たかだか季節の変わり目の風邪くらいで普通そこまで感じはしない。だけれど子供をなくした体験を持つ親は、この子も死んでしまうのではないかとおびえる。おびえる自分の心も自然なことなのだ。ゆったりと生きていたい。大学に行きたければ受験に合格しさえすれば、結果オーラーなんだから。きっとこの子の生きてゆく場所もあるんだからと思う。このことが甘やかしといわれても、又子供を見送るのはいやだと心が叫ぶ。