黒い子猫

 臆病でおびえてだれかれ構わず威嚇して攻撃している子猫。どんなにか世の中全てが怖いのだろうか。その子がやっと触っても引っかかなくなったし、シャアシャア言わなくなった。カメラを向けたらこんな穏やかな表情を見せるようになった。ふと思う。人も同じなのだろうな。攻撃して歯向かってくる心はきっと恐れでいっぱいなのだろうな。穏やかに、たとえ攻撃されても何もなかったかのように受け入れて関わっていくことでしか心は開かれないのだろうな。
何故こんなにももろく壊れやすい心を人は無造作に扱うのか。少年の心をどうしたら守ってやれるのか。そのことに関わる仕事がしたいなと思い出している。詩を選ぶのではなく。生きることを取り戻すために。少年時代に人は自ら氏を選んではではいけないのだ。生きることを諦めないで欲しい。そのために何が出来るだろうか。